バルト海のエーランド島の南部は広大な石灰岩の大地が広がっています。その地質が生んだ生物多様性と、5000年の昔からこの地に適応しようとしてきた人類の根気歴史が見られる集落跡地が評価され、2000年にユネスコの世界遺産に指定されました。その数は多くないものの、今も人々は牧畜を営み自然と共存して暮らしています。
ヴァイキングの故郷の古代遺跡「ビルカとホーヴゴーデン」
ストックホルム近くのビュルケ島とアデルスユー島。メーラレン湖に浮かぶ二つの島にあります。スウェーデン最古の町と言われるビルカ。お隣の島のホーヴゴーデンには、スウェーデン最古のキリスト教集会所やスウェーデン王族ゆかりの墳墓があります。当時のままの墓や港、木造家屋など、ヴァイキング発祥の地にタイムトリップ。
ストックホルムからのアクセスは船で1時間45分です。
1996年に世界遺産に登録された教会街。北ヨーロッパ最大の15世紀初頭に建てられた石造りの美しい教会と408の貴重な木造家屋や教会の倉庫が軒を連ねています。これらの家屋は、日曜日や宗教上の祭事の時に用いられています。教区が広大で昔は移動手段も限られていたことから、礼拝者は一日で行き来が出来ないため宿泊施設が整えられるようになりました。今も地元民が思いを寄せる教会では、夏になると毎年多くの信者が結婚式を挙げる様子が見られます。
中世の時間が流れる教会街は、現代人の私たちを魅了してやみません。
スウェーデンのエンゲルスベリは良質な鉄鉱石が採れます。17世紀と18世紀には多くの製鉄所が建設されスウェーデンの基幹産業である製鉄業をリードしてきました。20世紀初頭まで操業していた製鉄所が当時のままの姿で残されています。1993年に世界遺産に指定されました。
バルト海に浮かぶゴットランド島に位置する要塞都市ヴィスビー。かつてバイキングの拠点だったヴィスビーは、13世紀から14世紀の間、バルト海でのハンザ同盟の主要な中心地でした。その頃建てられた城壁と200以上の倉庫や同時代の裕福な商人の住居が当時のまま残っています。
映画「魔女の宅急便」の舞台となったと言われる美しい景色は、心を奪われずにはいられません。1995年にユネスコの世界遺産に指定されました。
ファールンの大銅山の歴史はバイキング時代にまで遡ります。13世紀から続く鉱山と湖や森など起伏に富んだ美しいダーラナの風景が印象的です。ファールンには、エレベーターで55mの深さまで行き、坑道を通り作業室を見学することもできます。鉱山の洞窟にあるユニークなホテルもあります。
カールスクローナはスウェーデン南部ブレーキンゲ県にある町。この地は、メキシコ暖流の影響で冬でも海が凍らないことから、バルト海の軍事基地と軍港が築かれました。17世紀に作られてから、300年間難攻不落の港。そして1998年にユネスコ世界遺産に登録されました。軍港と街が一体化したつくりで、現在も貴重な建造物や石造りの要塞が残っています。その先には、バルト海の真っ青な海!
辺りには、馬蹄形の要塞島などの見所も多くあります。カールスクローナ海洋博物館では、軍港の歴史を知ることができます。
ノルウェーとの国境に近い西部の町、タームヌスヘーデ(Tanumshede)に残る岩石線画。人、動物、武器、ボートなど豊かなモチーフは、青銅器時代の人々の生活や信仰などの歴史を伝えるだけでなく、ユニークな芸術作品としても一見に値します。1994年にユネスコの世界遺産に指定されています。
メラーレン湖のほとりにあるドロットニングホルム宮殿は絵画のように美しいバロック様式のお城です。世界遺産に指定され、今現在も国王一家の住居として使用されています。お城を囲むフランスとイタリアから影響を受け、手入れの行き届いた公園は、秋になると見事な黄葉に包まれます。ロマンチックな散歩コースにぴったり。1766年に建設されたドロットニングホルム劇場もこちらにあります。18世紀の舞台装置が今でも実際に使われており、昔からあるホールでは有名なオペラやバレエが上演されます。
ドロットニングホルムへは、ストックホルムから船か公共の交通機関で約50分です。
スウェーデンを代表する建築家エリック・グンナール・アスプルンドが生涯を捧げた代表作。1915年から25年間かけて建てられたスウェーデン国内最大規模の共同墓地です。葬儀に参列する遺族の心理や葬儀の機能にまで踏み込んだ建築計画がなされ、自然と調和するデザインはスウェーデンらしい表現で、近代建築の大傑作の一つとして高く評価されています。
1994年にユネスコの世界遺産に指定されました。
ヨーテボリの南約70kmハッランド県ヴァールベリ近郊にある超長波(VLF)送信局は、「ヴァールベリの無線局」という名称でユネスコの世界遺産に登録されています。
1922年-1924年に建設され、アメリカ・ロングアイランドにあるRadio Centralとの間で、大西洋横断無線電信に運用されていました。1996年に運用は停止されますが、年に1回アレキサンダーソン・デイAlexanderson Dayに特別記念局が開局されます。1960年代からの2代目送信機は、現在もスウェーデン海軍が運営しています。
夏の時期には、送信機を見学することもできます。またアレキサンダーソン・デイにはイベントが催されています。
北極圏に位置する、総面積9400㎞²に及ぶラポニア(Laponia)地域。
その大きな森林、広大な山岳や湿地とサーミ人の伝統文化は、1996年に複合遺産としてユネスコ世界遺産に登録されました。
トナカイの放牧とサーミ、氷河とツンドラ、北の果て原生の大自然です。夏はハイキングや登山、冬はスキーやスノーモービルが楽しめます。
圧倒的な大自然とサーミの伝統にふれ、あなたは何を感じとるでしょうか。