スウェーデンの文化、芸術そして遺産に興味がありますか? それなら、ストックホルムでABBAの軌跡を辿りましょう。または、バルト海に浮ぶゴットランド島でバイキングになってみる。それとも、先住民族サーミの人々との出会いを求め北スウェーデン・ラップランドを訪ねる。 スウェーデンには誇るべき文化、芸術、遺産がたくさんあります。そして、その貴重な歴史的名所、美術館、アートギャラリー、コンサートホールや劇場において、様々なイベントを開催しています。3大都市ストックホルム、ヨーテボリとマルメはその文化の中心的な位置にありますが、ほかの地方にも興味深く、素晴らしい場所が今も昔も数多くあります。
スウェーデンは過去において常に今日のような平和国家であったわけではありません。ストックホルムの武器博物館に行って、500年のスウェーデン軍隊と武器の歴史を見てみましょう。バイキングの時代からの戦いや戦争の様子をリアルに展示しています。 もし、バイキングの集落や暮らしに興味があれば、ユネスコ世界遺産に指定されている古代遺跡「ビルカとホーヴゴーデン」を訪ねましょう。ストックホルムから日帰りで行くことができます。またはバルト海に浮ぶゴットランド島には、バイキングの村があります。9世紀のバイキング集落を再現した施設です。バイキングの手工芸やゲーム、スポーツを体験することができます。お子様にもおすすめです!
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Royal Swedish palaces
スウェーデンは立憲君主制の国です。オープンで親しみを抱く王室は、国民の支持が非常に高く、王制は国民に溶け込んでいます。スウェーデン王室は、ストックホルム市内にある王宮と、ストックホルム郊外にある現在の居城ドロットニングホルム宮殿、そしてソーリーデンにある夏の宮殿を所有しています。ルネッサンス様式、バロック様式と、豪華なイタリアンヴィラタイプと、全く趣が異なる宮殿です。 ストックホルム王宮 スウェーデンは今も、君主制を保持しています。現国王カール・グスタフ16世国王の執務室が置かれる王宮は、旧市街ガムラスタンにあります。608の部屋があり、王室御用達の部屋の見学もできます。国の行事で使われる王冠は財務省の宝物の間に保管されており、500年前にさかのぼる王室ゆかりの品々は、王家武儀博物室に展示されています。
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ドロットニングホルムの王領地
メラーレン湖のほとりにあるドロットニングホルム宮殿は絵画のように美しいバロック様式のお城です。世界遺産に指定され、今現在も国王一家の住居として使用されています。お城を囲むフランスとイタリアから影響を受けた手入れの行き届いた公園は、秋になると見事な黄葉に包まれます。ロマンチックな散歩コースにぴったり。1766年に建設されたドロットニングホルム劇場もこちらにあります。18世紀の舞台装置が今でも実際に使われており、昔からあるホールでは有名なオペラやバレエが上演されます。 ドロットニングホルムへは、ストックホルムから船か公共の交通機関で約50分です。
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ソルリーデン カルマルから橋を渡ったところにある美しいエーランド島に、スウェーデン王室の夏の宮殿があります。この宮殿は、豪華なイタリアン・ヴィラを連想させる、王室のサマーハウス、避暑の御用邸です。 壮大な庭園にパビリオン、展示などがあります。交通手段はボートかお車で。
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アルフレッド•ノーベル博物館
アルフレッド•ノーベル(1833-1896)は、スウェーデンを代表する発明家であり、国際的な実業家、詩人そして博愛主義者です。ダイナマイトを発明し、それにより得た資産のほとんどを遺言によりノーベル賞設立にあてました。
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ノーベル賞
ノーベル賞は、スウェーデンの発明家、アルフレッド・ノーベルの遺言にしたがって始めらた世界的な賞です。1895年にノーベル財団が設立され、始めて授賞式が行われた1901年以来、毎年12月10日アルフレッド・ノーベルの命日に授賞式が行われています。1968年に経済学賞の追加により、物理学賞、化学賞、生理学・医学賞、文学賞、平和賞の6部門から構成されます。
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ノーベル博物館
ストックホルムの旧市街、ガムラスタンの中心部にあるノーベル博物館は18世紀に建造された当時の面影を残す、歴史ある建築物として有名です。
ノーベル博物館では、ガイドツアーやビデオ、様々な資料を通してノーベル賞、並びに創立者であるアルフレッド・ノーベルについて詳しく知ることが出来ます。館内のレストラン、ビストロ・ノーベルでは、椅子の裏に残された受賞者の直筆のサインが飾られており、いくつかの椅子は実際にレストランで使用されている事でも知られています。 スウェーデンを訪れた記念に是非一度、訪ねてみたい場所です。
スウェーデン・ラップランドのヨクモックは、先住民族サーミの文化首都と呼ばれています。今も昔もサーミの人々の集うトレードやお祭りの場所だからです。また4カ国に及ぶラップランド地域で唯一のサーミの博物館、アイッテ-山岳とサーミ博物館があることでも有名です。北極圏のサーミ文化、宗教や神話、暮らし、鮮やかな民族衣装や銀などの装飾品などを見ることができる非常に貴重な博物館です。ギフトショップが充実していることも人気の秘密です。 スウェーデン北部ハイ・コースト近くのシェップスマーレンに、スウェーデンの珍味「発酵ニシンの缶詰シュールストレミング」の博物館があります。世界一臭い食べ物とも言われる、シュールストレミングは、北スウェーデンの発酵食品です。その特徴は、塩漬けされたニシンが缶詰された後も缶の中で発酵を続けることです。博物館では、シュールストレミングの歴史から作り方まですべてがご覧になれます。博物館はスウェーデンの素朴で雰囲気のある漁村に位置しています。
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ユネスコの世界遺産、ターヌムの岩絵郡にはヴィートリュッケ(Vitlycke)博物館があります。青銅器時代に描かれた岩石線画を見ることができます。3000年前のアーティストは、人、動物、武器、ボートやそりなどのモチーフ、また狩のシーンや暮らしぶりをユニークに描いていました。芸術作品としても、また彼らの物語を伝える作品としても貴重な展示です。
ヨータ広場Götaplatsenにある7階建ての建物がヨーテボリ美術館です。土地の高低差を利用して建てられているため、正面玄関があるフロアーは4階になります。みどころいっぱいのこの美術館。 スウェーデンを代表する画家、アンデース・ソーン、カール・ラーション、ブルノー・リリエフォッシュはじめ、奥深い現代スウェディッシュアートを見ることができます。ヨーテボリ出身のイヴァル・アロセニウスIvar Aroseniusの絵画コレクションもお見逃しなく! ムンクなどの北欧画家はもちろん、ルーベンス、レンブラント、ドラクロア、ルソー、ゴッホ、ピカソ、マティスなどの大作もたくさん所蔵しています。
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スウェーデンの有名カメラメーカーのハッセルブラッド後援の写真美術コーナー、ハッセルブラッド・センターにも立ち寄りましょう! 近くのヴァーサ通り(Vasagatan)にある、リョースカミュージアムはデザインアートの博物館です。スウェーデンの家具、テキスタイルデザインの歴史などが見れる常設展示だけでなく、興味深い一時展示も開催しています。充実したショップや人気のカフェも併設しています。
歴史上の事故と博物館が結びつくことはあまりありませんが、ストックホルムのヴァーサ号博物館はその例外にあたります。悲劇的な美しさに息をのむ荘厳なヴァーサ号が博物館の核となる展示品です。17世紀の船の救出物語は、不幸な沈没と同じくらいドラマティックです。圧倒的な規模の大きさとヴァーサの美しさは素晴らしいものです。700点もの彫刻品で船はかざりつけられています。博物館では、ヴァーサ号がどのように造られ、どのように、そしてなぜ沈み、その後どのようにストックホルムのメーラレン湖の深さ底から引き上げられたのか、世界が賞賛してやまないヴァーサ号の物語をお見逃しなく!
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ユールゴーデン島にある、スカンセンはユニークな博物館です。1900年代のスウェーデンの農場や木造教会、歴史的な建物が広い博物館内に点在しています。160の建物はスウェーデンの各地から移築され、昔の暮らしぶりを見ることができます。クリスマスや夏至祭などのイベントも開催しています。その他にも館内にはヘラジカ、オオカミ、オオヤマネコやヒグマなどがいる動物園もあります。 ストックホルムに来られたら、近代美術館、ダンス・ミュージアム、ティール・ギャラーなどもおすすめです!
マルメには、マルメ美術館、市庁舎、マルメ城にある自然史科学博物館とマルメヒュースなどがあります。
マルメの歴史を見るために市庁舎を訪れましょう。20世紀北欧美術の最大のコレクションを持つマルメ美術館、自然史科学博物館には素晴らしい水族館や動物園があります。路面電車からジェット機、本物のU3潜水艦や科学実験のための科学海洋博物館も見ごたえがあります。
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スウェーデンのアートギャラリーは、展示品だけでなく、おいしい料理のレストランと人気のカフェ、充実したギフトショップを併設していることがよくあります。 ストックホルムのフォトグラーフィスカ、近代美術館、リリエバルク美術館、国立アンティーク博物館などや、西海岸ヨーテボリでは、ヨーテボリ美術館、、リョースカミュージアム。マルメは、近代美術館とマルメ美術館など。 スウェーデンを代表する画家というと、 19世紀の画家アンダース•ゾーンとカール・ラーションが有名です。
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スウェーデンでは冬と言えば、多くの人がクリスマスを連想するでしょう。家族みんながクリスマスを祝うために集うクリスマスイブは、一年の中で最も重要な家族の行事です。 12月が始まると国中が赤と白のクリスマスカラーに染まり、あちらこちらでクリスマスマーケットが開かれます。有名なルシア祭は12月13日です。その辺りになると、ほとんどの家で美しいクリスマスツリーが飾られ始めます。400年の伝統を持つ「光の女王」聖ルシアを祝う祭りは、教会のコンサートや聖歌隊の行進で見ることができます。聖ルシアの日には、白いドレスにろうそくの冠をつけたルシアと何人もの星の使いが光の行列を作り暗闇から光を運びます。その光景はとても美しく幻想的で、スウェーデンの伝統文化のなかでも必見のお祭りです。
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もう一つの重要なスウェーデン伝統行事は夏至祭です。 6月の夏至の日に家族や友人と、大きなメイポールの周りを陽気に歌い踊り、伝統的なスウェーデン料理を食べて、「スナップス」と呼ばれるアルコール度の強いのフレーバーなお酒を飲み、夏の訪れをお祝いします。これこそスウェーデン!と言えるお祝い行事です。。大きな規模の祭典を見るには、ストックホルムのユールゴーデン島のスカンセンがおすすめです。
もう一つ特徴的な行事は、8月から9月にかけてのザリガニ祭り。たくさんのザリガニと、それを上回るスナップスを消費します。スウェーデンでは、ザリガニは伝統的な好物料理です。 スウェーデン人は一般的に近代的で進歩的な人々と見られますが、これらの伝統的なイベントをご覧になれば、古きよきスウェーデンを経験することができるでしょう。
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